男性更年期障害（LOH症候群：Late-Onset Hypogonadism）は、主に中高年期以降の男性に見られる症状で、男性ホルモン（テストステロン）の低下によって心身にさまざまな変化をもたらします。特に性欲低下や勃起機能の変化は、パートナーとの関係に影響し、セックスレスの原因につながることがあります。本記事では、LOH症候群の特徴、セックスレスとの関係、改善のためのポイントについて解説します。
男性更年期障害（LOH症候群）とは
LOH症候群は、加齢に伴い男性ホルモンであるテストステロンが減少し、身体的・精神的・性機能に変化が起こる状態を指します。一般的には40代後半～60代頃に症状が現れることが多いですが、個人差があります。
- 疲労感や集中力低下
- 気分の落ち込み、イライラ
- 性欲減退
- 勃起機能の低下
- 筋力低下
これらの症状は生活の質を低下させ、仕事や家庭にも影響を及ぼすことがあります。
LOH症候群がセックスレスを引き起こす理由
テストステロンは性欲や勃起機能に深く関わるホルモンです。LOH症候群によってその分泌量が低下すると、自然と性に対する興味や欲求が弱まり、パートナーとの性生活が減少しやすくなります。また、勃起不全（ED）が起きると、自信の喪失やパートナーへの申し訳なさが心理的負担となり、性行為を避けるようになるケースもあります。
さらに、心理面でも抑うつや無気力感が生じることで、スキンシップそのものに消極的になることがあります。こうした肉体的・精神的要因が重なり、セックスレスが進行することが少なくありません。
パートナー関係への影響
LOH症候群によるセックスレスは、単に性行為の減少だけにとどまらず、パートナーシップ全体に影響を及ぼすことがあります。例えば、「拒否された」と誤解されたり、相手の気持ちを汲み取れずに双方がストレスを抱えることもあります。お互いに気まずさを感じ、会話やスキンシップを避けるようになると、関係性はさらに冷え込んでしまいます。
改善のためのアプローチ
- 医療機関の受診：テストステロン値や症状の評価を行い、必要に応じてホルモン補充療法などの治療を行う。
- 生活習慣の見直し：運動、睡眠、食事の改善がホルモンバランスを整えるサポートに。
- 心理的サポート：カウンセリングや夫婦間の対話で心理的負担を軽減する。
- スキンシップの再構築：性行為だけでなく、寄り添う・手をつなぐなど、安心感を育む行動を重ねる。
パートナーとの向き合い方
LOH症候群を乗り越えるには、パートナーとの理解と協力が欠かせません。相手を責めるのではなく、一緒に向き合う姿勢が大切です。症状や気持ちを率直に伝えることで、相互理解が深まり、安心して対策に取り組むことができます。また、治療や生活改善にパートナーと協力して取り組むことで、関係性の回復が期待できます。
まとめ
男性更年期障害（LOH症候群）は、テストステロンの低下により性欲減退や勃起機能の変化を招き、セックスレスの一因となり得ます。心身の変化を正しく理解し、適切な治療や生活改善、パートナーとのコミュニケーションを行うことで、無理のない形で親密さを再構築できます。気になる症状があれば、早めの受診と対話を心がけ、健やかな関係づくりを進めましょう。
