骨盤底筋の衰えが及ぼす影響と鍛える方法

骨盤底筋は、骨盤内にある臓器(膀胱・子宮・直腸など)を支える重要な筋肉群です。年齢や出産、姿勢の乱れ、運動不足などによって衰えやすく、尿漏れや骨盤の不安定感、性交時の痛みなど多様な影響が出ることがあります。これらの症状が長く続くと性生活を避けるようになり、セックスレスにつながるケースも少なくありません。本記事では、骨盤底筋が衰えることで起こり得る問題と、日常生活で取り入れやすい鍛え方について紹介します。

骨盤底筋とは

骨盤底筋は、骨盤の底部分にハンモックのように張り巡らされた筋肉で、姿勢の安定、便や尿のコントロール、性機能の維持に関わります。女性だけでなく男性にとっても重要で、加齢や生活習慣によって筋力が低下すると、身体機能に影響を及ぼすことがあります。

骨盤底筋の衰えが及ぼす主な影響

  • 尿漏れ:咳やくしゃみ、運動時に少量の尿が漏れるケースが増える。
  • 性交痛:骨盤周囲の筋肉が硬くなったり、支えが弱くなることで痛みが生じやすくなる。
  • 骨盤の不安定感:姿勢が崩れ、腰痛や下腹部の違和感につながる。
  • 性欲減退:痛みや不安から性行為を避けるようになり、性欲が低下する。

特に性交時の痛みや違和感は、無意識に性行為を避けるようになり、パートナーとの距離感が生まれるきっかけにもなります。

セックスレスへの影響

骨盤底筋の衰えがきっかけで起こる疼痛や尿漏れは、性的な自信を失わせる原因になります。また「恥ずかしい」「痛みが怖い」という心理的ブロックが強まり、性行為を控えることでセックスレスへと進行することがあります。症状が続くとパートナーとのコミュニケーションが減り、関係全体にも影響が及びます。

骨盤底筋を鍛えるメリット

  • 性交時の痛み軽減
  • 骨盤の安定による姿勢改善
  • 尿漏れの予防・改善
  • 血流促進による性機能の向上

継続することで、身体的な不調だけでなく精神的な安心感も生まれ、パートナーと向き合う余裕が生まれます。

骨盤底筋を鍛える方法

  1. 意識づけ:排尿を途中で止める感覚を思い出し、骨盤底筋の位置を把握する。
  2. 基本の収縮トレーニング:骨盤底筋を締め、5〜10秒キープしてゆっくり緩める。これを10回×3セット程度を目安に。
  3. 呼吸を整える:力むと腹筋に頼ってしまうため、深く息をしながらリラックスして行う。
  4. 姿勢を整える:座った姿勢・仰向け・四つん這いなど、無理のない体勢で実施する。

最初はうまく締められなくても問題ありません。継続することで感覚が身につき、効果が現れやすくなります。

生活習慣の工夫

  • 長時間同じ姿勢を避け、適度に体を動かす
  • 冷えを防ぎ、血行を促す
  • 便秘を予防し、骨盤への負担を減らす
  • 日常的に姿勢を意識する

専門家への相談

骨盤底筋の衰えによる症状がつらい場合は、婦人科や泌尿器科、理学療法士への相談も選択肢のひとつです。個別の状況に応じてトレーニング指導や治療を受けられ、より確実な改善が期待できます。

まとめ

骨盤底筋の衰えは尿漏れや性交痛などの不調を引き起こし、セックスレスへつながる可能性があります。しかし、日常的なトレーニングや習慣の見直しにより改善が期待できます。少しずつでも取り組むことで心身の安定につながり、パートナーとの健やかな関係を保つ助けとなるでしょう。

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