甲状腺は、代謝やホルモン分泌を調整する重要な器官であり、その働きが乱れると全身のさまざまな機能に影響を及ぼします。特に、甲状腺疾患によって性欲の低下や勃起機能の変化が生じ、セックスレスへとつながることがあります。本記事では、甲状腺疾患が性機能に与える影響と、その対応策について解説します。
甲状腺疾患とは
甲状腺疾患には、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や甲状腺機能低下症(橋本病)などが含まれます。これらの疾患は、ホルモン量の変化により代謝や体温調節、心拍数、精神状態などへ影響をもたらします。特に女性に多い疾患ですが、男性にも発症します。
性機能への主な影響
甲状腺の機能が乱れると、身体だけでなく性機能にも影響が現れます。
- 性欲低下:ホルモンバランスの崩れが性欲に影響。
- 勃起機能の変化:血流や神経機能が低下し、勃起しにくくなる。
- 月経異常:女性では月経周期が乱れ、妊娠しにくくなることも。
- 気分の変動:不安や抑うつなど精神症状が性への意欲を低下させる。
セックスレスにつながる理由
甲状腺疾患による性機能の変化は、身体的・心理的負担をもたらし、性行為への意欲や自信を失う原因となります。また、パートナーに状況が伝わらないままでは誤解が生じ、関係性がぎくしゃくすることがあります。こうした理由から、自然とセックスレスへと進行することがあります。
改善のための対応策
- 医療機関での治療:甲状腺ホルモンの異常が認められる場合は、医師の診療を受け、薬物療法などでホルモンバランスを整える。
- 生活習慣の見直し:バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理が症状の改善に役立つ。
- 心理的サポート:必要に応じてカウンセリングを受け、精神的負担を軽減。
- パートナーと話し合う:状況を共有し、理解し合うことで関係を維持しやすくなる。
パートナーと向き合うポイント
甲状腺疾患の影響でセックスレスが生じている場合、パートナーとのコミュニケーションが鍵となります。症状や気持ちを率直に伝えることで、誤解や不安を減らすことができます。また、性行為以外のスキンシップや一緒に過ごす時間を大切にし、無理のない形で親密さを育んでいけるとよいでしょう。
まとめ
甲状腺疾患はホルモンバランスを乱し、性欲や勃起機能などの性機能に影響を与えることがあります。その結果、セックスレスへとつながることもありますが、適切な治療や生活習慣の見直し、パートナーとの理解ある対話で改善が期待できます。気になる症状がある場合は、早めの受診を心がけ、健やかな関係づくりに役立てましょう。
