リモートワークは柔軟な働き方を可能にし、通勤時間の削減や家庭時間の増加など多くの利点をもたらしています。しかし一方で、働く場所と生活空間の境界が曖昧になることで、新たなストレスや人間関係の変化が生まれています。夫婦・カップルにおいては、自宅での長時間接触や生活リズムの変化が心理的な距離を生み、親密さが低下するケースも珍しくありません。
本記事では、リモートワークによるストレスが親密さにどのような影響を与えるのか、その背景と維持に向けた工夫を紹介します。
1. プライベートと仕事の境目がなくなる
自宅で働くことで、勤務時間とプライベート時間の境目が曖昧になり、常に「仕事モード」が続いてしまうことがあります。集中が続かない、家事との境界が曖昧などの状態がストレスを生み、パートナーとの時間を取りづらくなります。
- 仕事が常に頭から離れない
- 終業後も気持ちが切り替わらない
- 休憩時間が確保しづらい
オンとオフの切り替えが難しいと、心の余裕が減り、関係が希薄化しやすくなります。
2. 生活空間の過密化によるストレス
同じ空間で長時間過ごすことで、「一人になれる時間・場所」が不足し、気分転換が難しくなります。互いの作業音や会話が気になる、オンライン会議で静かにしなければならないなどの制約が、関係面でも負担になりがちです。
3. コミュニケーションの偏り
仕事でオンライン会議が増えると、家庭での会話が減ってしまうことがあります。特に、仕事と生活の話題が混在しやすく、親密さをはぐくむための感情的な会話が少なくなる傾向があります。
4. 心身の疲労による性欲の低下
リモートワークでは座りっぱなしや運動不足、長時間労働が起こりやすく、心身の疲労が蓄積しがちです。この結果、性への関心が薄れ、セックスレスにつながる可能性があります。
5. 親密さを維持する方法
5-1. 生活空間に境界を設ける
仕事スペースと生活スペースを区切り、視覚的な区別をつけると気持ちが切り替わりやすくなります。カーテンやパーテーション、別の部屋を利用するなど工夫してみましょう。
5-2. 勤務時間ルールを作る
勤務時間を決め、終業後は仕事を持ち込まない意識が大切です。「終わりの時間」が決まっていることで安心感が生まれ、パートナーとの時間も確保しやすくなります。
5-3. 一日の終わりに感情を共有する
その日の出来事や疲れ、嬉しいことなどを共有する数分の時間をつくることで、心理的な距離を縮められます。感情を言葉にすることで、安心や共感が生まれやすくなります。
5-4. 一人の時間も大切にする
同じ空間にいても「一人で過ごす時間」を意識的に確保することが重要です。趣味や運動など、気分転換できる時間を持つことで、再び関係に向き合う余裕が生まれます。
5-5. スキンシップの習慣づくり
手をつなぐ、軽く触れるなど、日常の中で自然なスキンシップを取り入れると、心理的な距離が縮まりやすくなります。無理のない範囲で続けましょう。
まとめ
リモートワークは便利である反面、心身のストレスや生活リズムの乱れを生みやすく、親密さの低下につながることがあります。しかし、生活空間の境界づくりや時間管理、感情共有、スキンシップの習慣などを取り入れることで、関係性を健全に保ちやすくなります。
柔軟な働き方を楽しみつつ、互いを大切にしながら生活リズムを整えていくことで、親密さを取り戻し続けることができるでしょう。
